ビットコインは一時6万ドルを割り込み、イーサリアムも同週に約22%下落しました。いずれも2022年11月以来最大の週間下落率で、FTX崩壊時に匹敵する規模の市場混乱となりました。Bloombergが引用したデータによると、この下落は1,300日以上ぶりの最悪の7日間パフォーマンスに相当します。

売り圧力を増幅させたのはレバレッジの強制清算です。売りが連鎖する中でデリバティブ市場を通じた強制決済が加速し、約70億ドル規模のポジションが清算されました。米国上場の現物ビットコインETFからは13営業日連続で資金が流出し、累計約55億ドルが引き出されました。週間ベースでは設定来2番目に大きい約17億2,000万ドルの純流出を記録しており、機関投資家需要の柱として機能してきたETF経由の買い支えが大きく後退した形です。

マクロ環境も逆風となりました。米国の雇用統計が予想を上回る強さを示したことや、米国とイランの地政学的緊張が解消されないことを背景に、市場参加者はFRBの利下げ観測を後退させ、利上げの可能性まで織り込み始めました。同時に資金が人工知能(AI)関連株やデータセンター銘柄へ流入し、リスク資本の配分先として暗号資産との競合が強まっています。

アナリストの見方は分かれています。レバレッジの解消や投げ売りの様相が過去の局所的な底値圏に似ているとする見方がある一方、薄い流動性・ETF解約・リスク資本の競合といった構造的な脆弱性が残るとする慎重意見もあります。現在保有されているビットコインの半数以上が含み損の状態にあり、過去サイクルで底値圏に先行して見られた水準に近づいているものの、最大限の投げ売りには至っていないとする指標も存在します。