5月29日、ビットコインは米東部時間午前5時直後に1,500ドル超の急落を記録し、数週間ぶりの安値となる7万2,395ドルを付けました。しかし、ワシントンとテヘランがホルムズ海峡の再開に向けた合意に達したとの報道が伝わると市場は急速に反転し、トランプ大統領がTruth Socialで合意を確認したことで大規模な買いが入り、7万4,223ドルまで上昇しました。
ホルムズ海峡は世界の原油供給量の約20%が通過する重要な海上輸送路です。合意報道は米国株の急騰を促す一方、エネルギー市場では売りが優勢となりました。週初めに1バレル100ドル近辺で推移していたブレント原油は日中安値の91.47ドルまで急落し、WTI原油も87ドルまで下落しました。原油価格の急落とホルムズ海峡の再開見通しは、世界経済にデフレ圧力の緩和をもたらすとみられています。
ビットコインの急騰・急落の過程では、4時間の間に売り建て(ショート)ポジションで2,950万ドル、買い建て(ロング)ポジションで2,000万ドルの清算が発生しました。暗号資産市場全体の清算総額は同期間に1億1,170万ドルに達し、うちショートの清算が6,930万ドルを占めました。ビットコインの時価総額は1兆4,800億ドルを超え、30日間の下落率は2.7%に縮小しています。
地政学的な不確実性は依然として残っています。今回の合意は覚書(MOU)の段階にとどまり、トランプ大統領とイラン指導部による正式な批准が必要です。イランの国営メディアや交渉担当者は合意内容を否定しており、テキストは最終化されていないと主張しています。今後48時間以内にイラン側が公式に合意を確認するかどうかが、この外交的枠組みの行方を左右する重要な局面となります。